優良な賃貸管理会社の選び方のポイントは?

最新更新日 2023年12月27日
執筆:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士 三好 貴大

 
前回は「賃貸管理会社の探し方」をお伝えしました。「不動産会社が多すぎて、どう選んでいいか分からない・・・」というのが本音かと思います。
どのように面談する賃貸管理会社をピックアップし、選んでいけばいいのでしょうか?

会社の所在地を確認する

東京都内全域をカバーするためにSEO対策を行い、例えば「大田区 賃貸管理」と検索したのに練馬区の不動産会社がヒットすることもあります。
管理できなくはないですが、対応が遅い可能性が極めて高いか、対応を外部に丸投げしてしまうケースが多いです。

市区町村の大きさや実際の距離にもよりますが、目安としては「物件の所在する市区町村+隣接する市区町村」くらいまでに留めておきましょう。

Googleの口コミで優良・悪質を比較する

ホームページの内容自体は指標の一つにはなりますが、それだけで優劣をつけるのは尚早です。
お金を掛けた分だけイメージやコンテンツが充実するのは当たり前で、そうなると資本力がものを言うことになってしまいます。

そこで、重要な指標となるのは「Googleの口コミ」です。
不動産会社の名前を検索するとGooglemapと共に不動産会社のプロフィールが出てきますので、そこの口コミを確認して以下の場合は避けましょう。

・口コミが1件もない(営業しているか怪しい)
・悪い口コミが多い(対応が悪い可能性がある)
・点数が3.5未満(対応が悪い可能性がある)

また、以下の場合は確認が必要です。

悪い口コミが少しある

会社全体が悪いのか、たまたま対応の悪い担当者がいただけなのか確認が必要です。
中には悪質な入居者に適切な対応を行った結果、逆上して悪い口コミを書かれる場合があります。

お部屋探しに関するコメントが多くの割合を占めている

本当に客付け業者なのか、元付けや賃貸管理も行っているけど口コミがないだけなのか、確認する必要があります。
ホームページを確認して「入居者募集」や「賃貸管理」などの家主向けのページもある場合は面談の候補に入れておきましょう。

面談時に優良かどうか判断する方法

上記の方法で面談する賃貸管理会社の目星を5社ほど付けたら、電話かメール、お問い合わせフォームから「賃貸管理会社を探している旨」と「一度訪問して相談したい旨」を伝えましょう。
そして、面談時に確認する方法は以下の3つです。

担当者の対応と印象

面談で対応してくれる人の第一印象と雰囲気が良ければクリアです。
もしも第一印象が悪かったり、話していて雰囲気が悪かったりした場合は間違いなくやめておきましょう。
初対面の大事なお客様に対してその態度なら、借主に対して更なる悪態が向けられることなるため、トラブルの発生率が高まります。

事務所内の清潔さ

事務所内が不清潔であったり、どこを見てもクリアファイルが山積み(目安10cm以上)になったりしているような場合は、管理もだらしない可能性がありますのでやめておきましょう。

ただし、デスクの上が整理されている人とされていない人がまばらな場合は、担当者によって優劣がある可能性が高いため、後述する「担当者と組織体制」について必ず確認しましょう。

5つの質問をする

上記2つがクリアできた場合は、以下の5つの質問をしてみましょう。

①御社の一番の強みは何ですか?

強みを聞いて、第一声が「管理委託料が安いこと」の場合はもう質問を辞めて帰りましょう。
管理料の安さを一番の強みにしている会社は管理戸数の量で勝負しようとしていることがほとんどで、「安かろう悪かろう」ばかりです。
何れにしてもこれからの質問をした場合、期待する答えは返ってこないと思います。

②客付け業者の内見時はどのように対応していますか?

客付け業者(お部屋探しの業者)から内見したいと依頼があった際、主な内見方法は3つあり、「現地対応」と「鍵取り」が中心の場合はなるべく避けて、「立会」の場合はクリアです。

「現地対応」とは、物件にキーボックスを設置し、その中に鍵を入れておいて、内見依頼が入ったら解除番号を教えるというものです。
中にはポストボックスの解除番号を教えたり、水道メーターに直置きして全く施錠されていなかったり、防犯上問題がありそうな対応もあります。
「鍵取り」とは、賃貸管理会社に鍵を取りに来てもらうという方法です。

上記2つのリスクは、賃貸管理会社が借主や入居者を見ていないので、人柄が悪く悪質な入居者が入ってしまう可能性があることです。

「立会」は客付け業者の内見時に鍵を開けに行くため、実際に入居する人を確認します。
「現地対応」と「鍵取り」に比べれば安心感はありますが、すべての業者が入居者の人柄をチェックしているかは確実ではないことだけ心に留めておきましょう。

③定期借家契約で入居者募集できますか?

その際に「再契約は可能ですか?」と聞かれたら「借主や入居者が悪い人でなければ再契約して長く住んでもらいたいです」と回答しましょう。

定期借家契約の説明は割愛しますが、もし「決まりにくくなる」「賃料を下げなきゃいけない」「うちではできない」など反対意見だった場合はやめておきましょう。
「できるか確認してから回答します」と前向きに検討してもらえるようであれば許容範囲で、「それも当社の強みです!」の場合は期待値が高いです。

④トラブルが発生した際はどのように対応していますか?

もし「コールセンターで受け付けて、営業担当が対応します」という場合はあまりオススメできません。
コールセンターを設けるということは「問い合わせ件数が多い=回っていない・クレームが多い」という可能性があります。

反対に「担当者が連絡を受けてすぐ対応します」や「電話を受けた者がすぐに対応します」など、スピードを重視した回答であればクリアです。

⑤担当者や組織体制はどのようになっていますか?

ここで確認したいのは「担当者毎になるのか、部署やチームなど複数人で対応してくれるのか」です。

どちらが良い悪いという訳ではありませんが、もし担当者毎の場合は、自分に付いてくれる担当者と必ず面談して、これまでの質問を改めて行ってみましょう。
そして、担当者のデスクが不清潔や散らかっている、書類が山積みなどの場合は担当者を交代してもらうよう依頼しましょう。
あるいは、大事な新規顧客にそのような担当者を付けようとしてきた会社自体をやめておくのも一つの選択肢です。

また、支店があって担当者毎の場合は、「担当者の異動はあるのか」確認した方が良いです。
せっかくツーカーでやり取りできるようになった優秀な担当者がいたのに異動となり、今度付いた担当はだらしない・・・という可能性もあります。

最後に

管理を委託する、賃貸管理会社を変更するという場合は、「やっぱり他の会社に・・・」とすぐに変更する訳にはいかなくなります。
大事な決断となりますので、今回お伝えした内容をもとに良い賃貸管理会社とのお付き合いを始めましょう!

ご愛読いただきありがとうございました。

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