内見はあるのに決まらない…内見者が嫌がる共通点3選

最新更新日 2023年12月19日
執筆:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士 三好 貴大

「半年以上決まらなくて…」と相談を受ける物件や、お部屋探しを担当して長期空室の物件を内見しに行った際、よくある共通点があります。

もちろん賃料設定や諸条件など空室の要因は様々ですが、内見者が複数いても決まらない理由には代表的なものが3つあります
また、この3つに該当すると空室はどんどん長引いていく可能性が極めて高くなりますので、絶対に該当しないよう対応しましょう。

今回は内見者が嫌がる共通点3選について解説します。

第一位:封水が切れて下水の臭いが充満している

長期空室に共通するのは「封水が切れて下水の臭いが充満している」です
キッチンやトイレ、お風呂、室内洗濯機置場、洗面台などは、排水と繋がっているため下水の悪臭が上がってくる可能性があります。

しかし、皆さんがお住まいの家では悪臭が上がってくることは少ないと思います。
その理由は、水回りの設備には「排水トラップ(通称:トラップ)」と呼ばれるものがあり、そこに水が溜まることで、臭いの逆流を防いでくれています
この悪臭の逆流を防ぐために溜まっている水のことを「封水(ふうすい)」と呼びます。

定期的に水を流していればトラップには常時水が溜まり、悪臭の逆流を防いでくれますが、特に夏場は水が蒸発しやすいため、数か月水を流さずにいると封水が無くなり、下水の悪臭が充満していきます

人の感情には、「臭い」は大きな影響を与えます。
どんなに綺麗なお部屋でも、下水の悪臭が充満していると心理的抵抗が生まれて嫌がられてしまうため、せめて1か月に1回は水を流すようにしましょう

第二位:虫の死骸がある

トラップの封水が切れると、同時に発生するのが「コバエ」です
コバエが排水部分から出てきて、死骸が部屋中に散乱していると、当然内見した方は嫌な気分になると同時に、「この部屋は虫がいっぱい出そうだからやめておこう」と避けられてしまいます

また、防水パンのない洗濯機置場では、封水がなくコバエと下水の悪臭が発生する可能性があるため、必ず養生テープかマスキングテープ、サランラップなどで穴を塞ぐようにしましょう。

排水の蛇腹が排水管に刺さっているだけのキッチンでは、封水があっても隙間からコバエや下水の悪臭が発生することがあるため、できれば直管に変更する工事を行い、排水管の隙間を完全になくすようにしておくことが理想です。

特に、ゴキブリの死骸は最悪ですね。
内見時にゴキブリの死骸があると、まず決まらなくなってしまいます。

空室期間中は定期的に見に行って、コバエやゴキブリの死骸がないかチェックすることを怠らないようにしましょう。
もし見つかった場合は、死骸を撤去し、発生元の特定と対処を必ず行いましょう

第三位:通電されておらず真っ暗

「空室期間は電気代がもったいないから、クリーニングが終わったら解約しておこう」と解約してしまっているケースを多々見かけます。

しかし、内見者からすると、洗面所やお風呂、トイレ、キッチンなど水回りが暗いと良い印象は受けないですし、日当たりの悪い部屋は暗さが際立ってしまうため、かなりマイナスの印象を与えてしまいます

空室期間の電気代よりも、空室期間による無収入(空室損)の方がはるかに大きいため、必ず空室期間であっても内見者のために電気は契約して通電させておきましょう

加えて、ダイニングや寝室に照明器具がなく、結局真っ暗というケースも時折見かけます。
シーリングライトは設備として設置しておくことを推奨していますが、せめて内見用のシーリングライトを購入して、内見時に明るい状態で室内を見られるようにしておきましょう

シーリングライトはAmazonや楽天市場で3,000円台から購入でき、LEDであれば5~10年は持ちますので、できれば設備として、最低でも案内用に購入しておくことを強くオススメします。

不動産業者か大家さんが定期的にチェックするのが重要

今回紹介した共通点3つに該当する物件は、不動産業者や大家さんが全く空室に立ち入っていないケースがほとんどです。

本来であれば不動産業者が内見時に立ち会うか、定期的に空室には立ち入って、適宜対応することが求められるのですが、それを怠っているケースは珍しくありません。
「え!?不動産業者は内見が入ったら物件に行ってるんじゃないの?」と思われる大家さんもいらっしゃるかと思いますが、それは「立会」の場合のみで、それ以外の場合は物元業者が行くことはありません。

「物元業者」の意味や内見方法についてはこちらの記事で解説しています。
空室募集で行われる3種の内見方法と問題点

「立会」で内見を対応する業者であればしっかりチェックしているケースが多いですが、「現地対応」や「鍵取り」では残念ながら空室を定期的にチェックしに行くという業者は非常に少ないのが実情です。

不動産業者の怠慢だからといって、長期空室という被害を受けるのは悲しくも大家さんご自身なので、ご自身で定期的に空室を見に行くか、不動産業者に依頼して適宜対応してもらうことが大切です。
その際、依頼してもやっていないことも考えられるので、必ず対応報告をもらうようにしましょう。

また、クリーニング後に長期間空室となり、埃が溜まったり、窓ガラスが汚れたり、トイレの便器に汚れが付着したり、時間の経過と共に汚れていく場合があります。
訪問した際には、窓を開けて換気を行い、気になった部分は簡単な清掃を行うようにしましょう。

空室対策は「これだけやれば決まる!」という必殺技のようなものはなく、
・どうやったら問い合わせを増やせるか?
・どうやったら内見者に気に入ってもらえるか?

などを考えながら、一つずつ成約するための可能性を積み上げていくことが重要です。

しかし、中には一つ怠っただけで成約率が激減するものがあり、そのうちの一部が今回ご紹介した共通点3選です。
最低限として、それらをクリアした上でこちらの記事で紹介しているような各種空室対策を実行することで、満室経営の実現に近付いていきます。

【成約事例】既存の資源活用と差別化戦略で満室実現!

もし長期空室があって困っていて、しばらくお部屋に立ち入ったことがない大家さんは、まずは一度空室に足を運んでみましょう
ご愛読いただきありがとうございました。

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